ニカラグア生活

ニカラグア人女性に弄ばれた

 

日本人が比較的約束や時間に厳格であるがゆえ、日本人が海外に出ると外国人の約束事をあまり尊重しないところや、時間にルーズなところにしばしば驚くことがある。

 

そうはいっても、ニカラグアに来てもう2年。

 

もうカルチャーショックは何度も受けた。

 

大体のことは把握しているし、慣れているはずだ。

 

特に、ニカラグア人の約束や時間の守らなさはもう何度も経験しているし、よほどのことでない限り、怒りやあきれの感情もなく受け入れてしまうだろう。

 

もちろん、約束や時間をしっかり守る人たちもいるが、これまで仕事やプライベートで出会ってきたニカラグア人の大半は、「約束事や時間に厳格」とはとても言えない。

 

ある企業が主催の夕食会に参加したときも、18時半が集合時間であったにも関わらず、18時半に会場にいたのは、約100人の参加予定者のうち10人にも満たなかった。

その後も、19時で20人。19時半で30人。と、一向に揃わず、開始から2時間が経った20時半でようやく半分の50人を超えたくらいであった。

最終的に約半数は連絡なしで欠席し、用意してあった夕食は無駄になったという。

 

また、現地企業とのやり取りの際も、「本日14時までに送ります」と言った資料が、15時、16時になっても届かず、催促をすると「今すぐ送ります」になり、結局来ずに再度連絡をすると「担当者は帰ったので明日まで対応できません」になる。

 

これで次の日にちゃんと資料が送られてくればいいが、全く関係のない資料が送られてきたり、そのまま担当者が長期休暇に入ったり、送られてこないまま音信不通になった企業もある。

こんなことが日常茶飯事で起こっているんだから、なにがあっても驚かないくらいになっている。

無意識に約束も期限や時間も本気で信じなくなっている。

 

 

はずなのに、

 

 

 

あるニカラグア人の女の子を信じて裏切られ、完全に弄ばれてしまった。

 

それも、あまり会ったことのない子などではなく、もう何度も会ったことも出かけたこともあるわりと仲のいい子。

 

仲がいいというのは思い違いだったのか。

 

 

彼女は1週間前、

「食べてもらいたいニカラグア料理があるから、水曜日の夜に時間を作っといて」

と言ってきたので、特に予定もなかった僕は、言われるがままその予定を手帳に書き込んだ。

 

前日の火曜日には、「明日のための買い物中!」というメッセージとともに、友達とスーパーで買い物をしている写真が送られてきた。

写真とその他のメッセージのやり取りの中で、当日彼女はうちで料理をするつもりだということに気付いた。

てっきりどこかのニカラグア料理屋さんに食べに行くか、僕が彼女の家に行って食べることを想像していたので驚いたが、特に支障はない。

また、当日は18時半にうちに来ることに決定した。

 

当日になって連絡をしていても特に予定に変更はなく18時半を迎えた。

彼女は来ない。

数分の遅れはいつものことだ。

もう慣れているし全く気にならない。

 

19時になった。

彼女は来ない。

が、もう家をでると連絡がきた。

遅いけどこのくらいは許容範囲内だ。

家をでてくれるなら何の問題もない。慣れている。

 

19時半になった。

まだ来ない。

もう家をでるという連絡が最後のままだ。

お腹が減った。

でも大丈夫。なぜなら19時に家をでると言ったから。

19時過ぎには家を出ているはず。うちに来るまでにタクシーが捕まらないのかもしれない。

慣れている。

 

20時になった。

まだ来ない。

19時過ぎに家を出たとしたら着くのが遅すぎる。

心配だが連絡がつかない。

 

20時半になった。

まだ来ない。

空腹が限界だ。

クッキーを少し食べよう。

 

おっと、連絡がきた。

 

「いま家をでる」

 

???

 

大丈夫。慣れている。

 

21時になった。

まだ来ない。

20時半に家をでたんだ。

30分では着くのは難しいんだ。

まだ大丈夫。問題ない。慣れているから。

 

21時半になった。

来ない。

連絡も来ない。

もうお腹が限界だ。

空腹だからかだんだん腹も立ってきた。

爆発寸前だ。

でも大丈夫。慣れているんだから。

 

 

 

 

22時になった。


なんなんだあいつは!!どれだけ待たせるんだ!!

もういま来ても夕食じゃない時間じゃないか!!

もう絶対来ないだろ!むしろ来るな!もう外出たら危ない時間だ!

来れないなら「来れない」と言ってくれればいいじゃないか!!!

なんで家をでるとか思わせぶりなことを言い続けたんだ!!!

昨日の買い物はなんだったんだ!!!

どういう心境なんだ!!考えられん!!!!

期待して待ってた俺はバカみたいじゃないか!!!

好きな子に告白するのに放課後下駄箱で待ってて、全然来なくて靴箱確認したらもう既に帰ってた時みたいじゃないか!!!

 

慣れているはずの僕でも感情をコントロールできなかった。

もうこれは時間にルーズの次元を超えていると思う。

結局冷蔵庫にあったナスとひき肉を炒めて食べた。

お腹が減りすぎて逆に食べられない現象だ。全然食べられない。

ご飯を楽しみに生きているのに。

なんか悔しかった。

 

 

 

次の日の朝彼女から連絡がきた。

 

 

「ごめん、昨日ねちゃった。」

 

おい!!!!!!

なんだそれ!!!!!!

ふざけんな!!!!!!!!

LINEで寝落ちしたやつか!!!!!!

それ許されるのチャットの時だけだぞ!!

「ごめん、昨日寝ちゃった」で毎日ご飯をなによりも楽しみにしてるやつから夕食1食の楽しみを奪った罪を償えると思うなよ!!

 

そして、何を血迷ったか、

「お昼ご飯一緒に食べに行こう」と言ってきた。

 

まてよ。そういうことか。

ランチの場で謝って、さらに謝罪の意を込めてご馳走してくれるんだな。

もしくは別に何かを用意しているかもしれない。

まぁどんなことを言ってくるかわからないし、何を考えているかわからないけど、何をされてもこれは絶対許さないし、これを機に約束事とか時間をしっかり守るように、バシッと言ってやろう。

そう心に決めてお昼ご飯に行くことにした。

 

 

「12時半にお昼休み入るから12時半集合ね!」

と朝言っていた彼女から、

「10分早くお昼休み入れるから12時20分に来て」と12時に連絡があった。

まぁいいだろう。

家から約束の場所は近いし、それくらいの調整はできる。

 

12時20分に集合場所に着き、彼女を探す。

いない。

昨日の今日だから遅れるはずはないとはいえ、数分だ。

数分の遅れくらいはもうなんとも感じない。

彼女の昼休みは1時間しかないし、すぐに来るだろう。

 

12時30分。

来ない。

10分早まったのが、元々の時間に戻ったのかもしれない。

それならもう来るはずだ。

12時40分。

来ない。

彼女から7秒の音声メッセージが届いた。聞いてみよう。

 

無言。

7秒無言。

もう着くよって合図かもしれない。

 

12時50分。

来ない。

来ない。

来ない。

来ない。

 

13時半。

来ない!!!

うそだろ!!!!!

おまえまたかよ!!!!!!

昨日の今日だぞ!!!!!!!

なんなんだよくそぉ!!!!!!!

 

12時に時間変更の連絡来てるし、昨日の今日だし、そんなわけないだろ!

なんだ!?これは恨みか!?それともこれが彼女の普通なのか!?

これまで会ってた時は多少の遅刻はあったけど、こんなことなかったじゃないか!

 

結局彼女の昼休み時間を過ぎても来る気配はなく、何もせず手ぶらで帰るのは悔しいので近くのスーパーでパスタでも買って帰ることにした。

ダメだ。

パスタを買っても悔しい気持ちが増すだけだ。

悔しい。

振られた気分だ。

仲がいいのというのはやっぱり思い違いだったみたいだ。

大体を把握して慣れていたはずの文化の違いも、まだまだしっかりカルチャーショックを受けるレベルだった。

文化の違いを完全に把握して受け入れるのは難しいらしい。

無意識で心から彼女を信じてしまっていたみたいだ。

それゆえにショックが大きいが、また1つ大きな経験をしたと思う。

 

これは、単なる文化の違いで、彼女の恨みでないことを願う。

 

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