この記事では、スペイン語の「命令法」について紹介していきます。
日本語でいう「~しなさい。」や「~してください。」など、その名の通り命令を伝える表現方法です。
命令形には「肯定命令」と「否定命令」が存在します。
日本語で言うと、例えば「宿題をしなさい。」(肯定命令)、「話さないで。」(否定命令)というような感じです。
では、命令法の動詞の活用とその用法について、早速見ていきましょう!
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命令法の活用形
肯定命令と否定命令の活用形を覚えるにあたって、以下の基本のポイントをまず念頭に置きましょう。
【肯定命令】2人称単数・複数のみ特別な活用形、それ以外は接続法現在形の活用形と同様
※2人称単数:直説法現在形の3人称単数の活用形と同様
2人称複数:不定詞の「r」を「d」に変換
【否定命令】全ての人称において接続法現在形の活用形と同様
※接続法現在形の活用形は、接続法の記事で詳しく説明します。
肯定命令の活用形
動詞の活用語尾は、以下の表のように変化させるだけです。
ただし、以下に2人称単数形の不規則変化する頻出動詞を紹介するので、注意してください。
否定命令の活用形
上記で説明したように、全ての人称において接続法現在形の活用形と同様の活用形となり、以下となります。
動詞の前に「No」を付け加えるだけで、否定命令となります。
-er/-ir動詞の活用形は以下の通り、同様となります。
命令法の用法
早速例文を見ていきたいと思いますが、以下のポイントを念頭に置いておきましょう。
・1人称複数形に関しては「~しましょう。」のように、勧誘のニュアンスとなる。
・自分(yo)に対する命令は存在しない(自分に対しては2人称単数を用いる)。
・3人称単数複数に対する命令が、2人称単数よりも丁寧な表現になる。
【肯定命令】
例)Habla más despacito.
(もう少しゆっくり話して。)
Coma bien.
(ちゃんと食べてください。)
Avancemos.
(進めましょう。)
Escriban bien lo que dijo el profesor.
(先生のいったことをきちんと書いてください。)
【否定命令】
例)No me dejes sola.
(私を一人にしないで。)
No prenda la televisión cuando estamos hablando.
(話しているときはテレビをつけないでください。)
No corramos.
(走るのはやめましょう。)
No abran ventana sin permiso.
(許可なしに窓を開けないでください。)
再帰動詞の命令法
再帰動詞を命令法とする場合、以下のポイントに気を付けましょう。
【肯定命令】動詞の後に続けて代名詞を置く。
1人称複数や2人称複数の場合は、語末のsやdが脱落することに注意。
【否定命令】動詞の前に代名詞を置く。
【肯定命令】
例)Siéntate.
(座りなさい。)
Acuéstese.
(横になってください。)
Lavémonos los dientes.
(歯を磨きましょう。)
【否定命令】
例)No te levantes.
(起きないで。)
No se duerma.
(寝ないでください。)
No se preocupen.
(心配しないでください。)
まとめ
接続法現在形の活用形を知っていれば、命令法の活用は覚えやすいと思います。
ただ、例外も多く、相手に誤解を与えてしまうこともあるので、辞書などで各動詞の活用形を調べて確実にすることが大切です。
例えば、目上の人に、丁寧に「Hable más despacio.(ゆっくり話してください。)」と伝えたいのに、2人称単数の「Habla más despacio.(ゆっくり話して。)」と言ってしまうと、誤解を招いてしまいます。
自分の立場や状況を踏まえた上で、正しい命令法を使っていきましょう。
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執筆者:Rika (Instagram)
監修:りゅうや(Instagram)