スペイン語には、言葉の意味を完全に変えずに、主観的・感情的なニュアンスを加える表現方法があります。
今回は、その表現方法である「縮小辞と増大辞」について紹介します。
スペイン語圏では日常的によく使われ、調べても辞書で出てこないこともあります。
ただ、基本的な使い方や意味合いを理解すれば、ネイティブとの会話も弾むと思いますので、早速見ていきましょう。
縮小辞とは
縮小辞は、スペイン語でdiminutivoといいます。
これは言葉の本来の意味を変えずに、「小ささ」「少なさ」「可愛らしさ」さらには「親しみ」などの意味を添えることができます。
縮小辞の用法
基本的には、以下のような接尾辞を語尾につけるのみですが、例外も多いので注意しましょう。
また、名詞や形容詞だけでなく、人名や副詞や現在分詞・過去分詞にも使われることがあります。
接尾辞:「-ito/-ita」「-ilo/-illa」「-cillo/-cilla」「-cito/-cita」「-ico/-ica」「-illo/-illa」など
では、よく使われる例を見ていきましょう。
例)ahorita(今すぐに)
※中南米でよく使われます。
abuelito/a(愛情を込めて、おじいちゃん/おばあちゃん)
Anita/Juanito(愛情を込めて、Anaちゃん/Juanくん)
cervecita(小ビール)
chiquito/a(ちっちゃい/小さい子ども、chiquillo/a、chiquitínも同様)
despacito(ゆーっくりと)
flaquito/a(体型や特徴をあだ名にした愛称、やせっぽち)
gordito/a(体型や特徴をあだ名にした愛称、ふとっちょ)
hermanito/a(かわいい兄弟/姉妹、自分より下の兄弟/姉妹など)
japonesito/a(愛情を込めて、日本人)
jovencito/a(愛情を込めて、若者)
momentito(ほんのちょっとの間)
papito/mamita(愛情を込めて、パパ/ママ)
pequeñito(ちっちゃい、小さい子)
pobrecito/a(かわいそうな)
poquito(ほんの少し)
sentadito(子どもに対して、愛情を込めて「すわって。」)
など
増大辞とは
増大辞は、スペイン語でaumentativoといいます。
これは言葉の本来の意味を変えずに、「大きさ」「量」「規模」さらには「価値」や「強調」などの意味を添えることができます。
またネガティブな意味合いを持つことも多く、元の語と意味が変化することもあるので、注意しましょう。
縮小辞より使われる頻度は少ないです。
増大辞の用法
基本的には、以下のような接尾辞を語尾につけるのみです。
また、名詞や形容詞だけでなく、人名や副詞にも使われることがあります。
接尾辞:「-azo/-aza」「-ón/-ona」「-ote/-ota」など
では、よく使われる例を見ていきましょう。
例)amigote(仲間・悪友)
cabezota(大きな頭)
golazo(すごいゴール)
grandote(すごく大きい)
palabrota(悪口)
panzón(大きなお腹)
など
よくある表現
本来の言い方とあまり意味は変わりませんが、愛情を込めたり、強調したりして使う表現をいくつか紹介します。
例)¡Hasta prontito!
(また明日!)
Ahorita lo hago.
(今すぐそれをやります。)
Quiero un poquitito.
(ほんの少しだけほしいです。)
¡Provechito!
(召し上がれ。)
まとめ
この縮小辞と増大辞については、人によって伝えたいニュアンスも違うこともあります。
ネイティブに聞いてみるなどして、よく使われるパターンや意味合いを確かめるといいかもしれません。
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執筆者:Rika (Instagram)
監修:りゅうや(Instagram)