今回の記事では、目的格人称代名詞の中の間接目的格人称代名詞について紹介します。
前回紹介した直接目的格人称代名詞と混乱しないように気を付けましょう。
間接目的格人称代名詞とは
スペイン語の目的格代名詞は、2つに分類することができ、
「直接目的格人称代名詞」と「間接目的格人称代名詞」です。
おさらいですが、間接目的格人称代名詞は、日本語でいうと、間接目的語「誰に」を指す「~に」を表す人称の代名詞を示します。
「直接目的格人称代名詞」についてはこちらの記事をご覧ください。
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【スペイン語文法】直接目的格人称代名詞!
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目的格人称代名詞の形
前回の直接目的格人称代名詞の記事でも取り上げましたが、両種類とも以下のように、人称と単数・複数により変わり、直接目的格人称代名詞は、3人称においては性が存在し、使い分けが必要となりますので注意しましょう。
直接目的格人称代名詞と間接目的格人称代名詞は、混乱しやすいのでセットで覚えてしまいましょう。
また、国や地域によって直接目的格人称代名詞の3人称男性形の単数・複数のかたちが間接目的格人称代名詞となっていることもあります。(lo/losがle/lesとなります。)
例)Mi amigo los(les) conocen. (私の男友達は彼らを知っています。)

目的格人称代名詞表
間接目的格人称代名詞の用法
間接目的格人称代名詞の用法に入る前に、間接目的語ついて説明します。
先ほど説明したように、日本語で言う「~に」の対象となる人や物を指し、前置詞のaが必要となります。
例)Seru regala el tiquete a Ryuya. (セルはりゅうやにチケットをプレゼントします。)
Entrego la llave a mi novia. (私は彼女に鍵を渡します。)
では、間接目的格人称代名詞の用法を見ていきましょう。
上の間接目的語の例で説明した「~に」にあたる部分を、人称代名詞に置き換えて考えることを間接目的格人称代名詞といいます。
間接目的格人称代名詞は、直接目的格人称代名詞と同様、動詞を活用する場合動詞の直前に置くか、動詞が肯定命令形・不定詞・現在分詞の場合は、動詞の語末にくっつけて、動詞と合わせて一つの単語のように置きます。
例)Te envío la carta. (私は君に手紙を送ります。)
Tienes que avisarle la noticia. (君は彼にニュースを伝えなければならない。)
La foto le recuerda la vida en Nicaragua. (この写真は彼にニカラグアでの生活を思い出させる。)
さて、ここで重要なのは2番目と3番目の例文でleを「彼に」と訳していますが、表で説明したように3人称単数形では、
彼/彼女/あなたの違いがないので、話し手との間で対象となる人物が特定できない場合は、動詞の後ろに、間接目的語の「a 〇〇」といったように〇〇に対象となる名詞」を入れる必要があります。
例文を実際に「a 〇〇」を入れて考えると以下となります。
Tienes que avisarle a ella la noticia. (君は彼女にニュースを伝えなければならない。)
La foto le recuerda a Ryuya la vida en Nicaragua. (この写真はりゅうやにニカラグアでの生活を思い出させる。)
Le digo la información a usted. (私はあなたに情報を言う。)
直接目的格人称代名詞と間接目的格代名詞が同時に使われる場合の順番
例えば、日本語で「彼女にそれを渡す。」という文章は「それを彼女に渡す。」と語順を変化することができます。
ただし、スペイン語でこの直接目的格人称代名詞と間接目的格代名詞が同時に使われる場合、語順のルールが決まっているので注意します。
スペイン語では、常に「間接目的格人称代名詞+直接目的格人称代名詞」となります。
早速例文を見ていきましょう。
例)Me tienes que dar el documento. (君は私に書類を渡さなければならない。)
この文章のel documentoの部分を直接目的格人称代名詞であるloに変換します。間接目的格人称代名詞が先にくるので、次のように言い換えることができます。
Me lo tienes que entregar.
Le entrego la llave a Ryuya. (私はりゅうやに鍵を渡す。)
この場合、la llaveを直接目的格人称代名詞がlaとなり、Le la entrango a Ryuyaとしたいところですが、
スペイン語では、直接目的格人称代名詞と間接目的格代名詞で3人称が同時に使われる場合、先に置かれる間接目的格人称代名詞が「se」となります。
3人称の単複に関わらず、「se」なるので注意しましょう。
なので、上の文章は次の文章が正しいです。
Se la entrego.
まとめ
間接目的格人称代名詞を単独で使う場合は、直接目的格人称代名詞と同じ要領ですが、同時に使われる場合は多少ややこしくなると思います。
ただ、語順のルールを頭に入れておけば、人称代名詞でよりスムーズにコンパクトに伝えたいことを伝えることができると思うので、練習して覚えていきましょう。
僕が読み漁ったスペイン語の参考書
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執筆者:Rika (Instagram)
監修:りゅうや(Instagram)