今回の記事では、「過去分詞と過去分詞を用いた受動文」について紹介します。
すでに紹介した「再帰動詞seを利用した受け身表現」と今回の「過去分詞を使用したもの」は使い方が少し異なります。
今回紹介する過去分詞を使用したものは、英語の受動文の考え方に近いといえるでしょう。
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過去分詞の形
現在完了を紹介した際に、過去分詞の形もあわせて紹介していますが、復習してみましょう。
ar動詞、er動詞、ir動詞のそれぞれの過去分詞の規則変化は以下のとおりです。
また、不規則な語幹と語尾を持つ動詞がありますので、一部を以下紹介します。
abrir(開ける)➡ abierto
cubrir(覆う)➡ cubierto
decir(言う)➡ dicho
escribir(書く)➡ escrito
hacer(する、作る)➡ hecho
imprimir(印刷する)➡ impreso
morir(死ぬ)➡ muerto
poner(置く)➡ puesto
romper(壊す)➡ roto
ver(見る)➡ visto
volver(戻る)➡ vuelto
また、規則変化ですが、アクセント記号が必要になるものもあります。
creer(信じる)➡ creído
leer(読む)➡ leído
oír(聞く)➡ oído
形容詞としての用法
動詞の過去分詞は形容詞として使用することができます。
その際、語尾は修飾する名詞に合わせて性数変化するので注意しましょう。
例)una manzana pelada
(皮をむかれたリンゴ)
Este edificio tiene espacios abiertos.
(この建物にはオープンスペースがあります。)
ser+過去分詞
ser動詞と過去分詞で受動文を作ることができます。
このとき、過去分詞は主語と性数一致することに注意しましょう。
この文では行為を受ける対象が主語として表され、行為を行う主体が前置詞porの後ろに置かれます。
「○○は△△によって~されます」という意味になります。
ser動詞はもちろん様々な時制で主語にあわせて活用します。
例)El documento es escrito por el director.
(その書類は課長によって書かれます。)
Ese chico es conocido por todos los habitantes de este pueblo.
(その男の子はこの町のすべての住人に知られています。)
Esta ley fue aprobada por la Cámara.
(この法律は下院によって承認されました。)
なお、スペイン語では、能動態のほうが受動態よりよく使われる傾向があり、このser+過去分詞の受動文は、動作の主体より行為の対象を強調したい場合に使用されるといわれています。
estar動詞+過去分詞
estar動詞と過去分詞でも受動文を作ることができますが、この場合は、何らかの行為から生じた状態を表す受動文となります。
その状態を引き起こす動詞を過去分詞にして使用します。
このタイプの文では、動作の主体を前置詞porによって表さないことが多いとされています。
例)La mesa está cubierta con un mantel de algodón.
(テーブルは綿のテーブルクロスでおおわれています。)
Unas botellas estaban rotas en el suelo.
(ビンがいくつか床で割れていました。)
Este apartamento está pintado de color gris.
(このアパートは灰色で塗られています。)
また、自動詞の過去分詞が用いられることもあり、その場合は、受け身の意味はなく、単なる状態が意味されます。
例)Ya estoy acostado en la cama.
(私はもうベッドに寝ています。)
Esta señora está casada.
(この女性は結婚しています(既婚者です)。)
まとめ
今回、ser動詞やestar動詞と過去分詞を用いる受け身の表現を紹介しました。
英語の受動態を知っている人にとっては似たような構造ですし、あまり複雑な文法ではないと思います。
ただ、慣れないうちは、過去分詞を主語にあわせて性数一致させることを忘れてしまいがちですので、注意しましょう。
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執筆者:Rika (Instagram)
監修:りゅうや(Instagram)