この記事では、スペイン語の「使役文」について紹介していきます。
使役とは、日本語でいう「~させる」と、他者になんらかの動作をさせることを表す文のことを言います。
スペイン語の使役文は、基本的に動詞hacerとdejarを用いて表すことができ、ニュアンスの違いによってこれら二つの動詞を使い分けます。
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使役文に使用する動詞hacerとdejar
上記のとおり、使役文で使用する動詞は、基本的にhacerとdejarの2種類です。
hacerを用いる場合は、他者に強制的に「~させる」という意味を持ち、dejarは他者が「~する」のを放任する、放っておくというニュアンスを持ちます。
例)Le hice estudiar.
(私は彼に勉強させました。)
Le dejé descansar.
(私は彼を休ませておきました。)
使役文の形
注意点についてはあとで説明しますが、基本的にhacerとdejarを用いた使役文は以下の形をとります。
主語+目的語+hacer/dejar+不定詞
このとき、主語が使役を行う(他者に~させる)主体で、被使役者(動作をさせられる人)は目的語として表されます。
使役内容(他者にさせる動作の内容)は不定詞で表されます。
被使役者の位置
上述のとおり、被使役者(動作をさせられる人)は目的語として表されますが、その位置については次の点に注意点しましょう。
1)被使役者が名詞の時:不定詞の後に置く
2)被使役者が代名詞の時:不定詞の直後には置かない(不定詞の目的語と取られないため)
例)No quería hacer llorar a Seru. (1の例)
(せるを泣かせたくありませんでした。)
No quería hacerlo llorar. (2の例)
(彼を泣かせたくありませんでした。)
また、被使役者は無生物でも可能で、被使役者を表す語がないこともあります。
例)Dejó salir el agua caliente.
(彼はお湯を出しっぱなしにしました。)
Es difícil hacer creer que mi hijo sea inocente.
(私の息子が無実だと信じてもらうのは難しいです。)
被使役者の表され方
動作の内容を表す不定詞が自動詞の場合、被使役者はhacer/dejarの直接目的語となります。
一方で、不定詞が他動詞でその目的語を伴う場合、次のとおりとなります。
1)hacerの場合:被使役者はhacerの間接目的語となる
2)dejarの場合:被使役者はdejarの直接目的語でも間接目的語でもよい
例)El profesor no la dejó salir del aula.
(先生は彼女を教室から出させませんでした。)
El profesor le hizo leer un poema de Pablo Neruda en la clase.
(先生は授業でパブロネルーダの詩を彼に読ませました。)
動作内容の表し方
~させる動作の内容は、不定詞の代わりにque+接続法で表すこともできます。
接続法の活用については以下の記事を参照してください。
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スペイン語の接続法現在の活用
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スペイン語の接続法過去の活用
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例)Ryuya la dejó que durmiera.
(りゅうやは彼女を寝かせておきました。)
Siempre me hicieron que repasara las matemáticas.
(いつも私は数学を復習させられました。)
まとめ
今回、使役文について紹介しました。
目的語の表し方やその位置など、ルールが複雑ですが、基本的な構造を理解してから、例文を作ってみたり、会話で使用してみたりしながら、細かい規則を覚えるようにするといいと思います。
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監修:りゅうや(Instagram)