この記事では、2021年11月26日(金)に公開されたディズニー最新作の「ミラベルと魔法だらけの家」(原題:Encanto)の魅力を解説していきたいと思います!
なんと今回の映画の舞台は南米コロンビア!
カラフルな映像と陽気な音楽がとっても魅力的なミュージカル映画ですが、実はコロンビアの魅力がたくさん詰まっているんです。
まだご覧になっていない方はぜひ観ていただきたいですし、もうすでに観た方も、今回の紹介するこの映画の魅力を思い出していただけたらなと思います。
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まずは予告映像から♫
まずは、日本語版とスペイン語版の予告編からご覧になってみてください。
参考記事
今回参考にした記事になります。
画像が載っていてわかりやすいので、一度覗いてみてください♫
映画に隠されたコロンビアの魅力
風景
マドリガル家の住む魔法だらけの家は、高いヤシの木に囲まれていたり、アルマおばあちゃんの思い出の場所は綺麗な川が流れていたり、カラフルな街並みも魅力的です。
これらの風景は多くの観光客が訪れる観光スポットを参考にしているようです。
高いヤシの木が点在する風景は、コーヒー地帯であるキンディオ県サレントという町に位置する"Valle de Cocora(バジェ・デ・ココラ)"という場所。
綺麗な川は、メタ県マカレナという町に位置する"Caño Cristales(カニョ・クリスタレス)"という川で、その美しさから「神の川」「七色の川」「虹の川」などとも言われています。
カラフルな街並みは、特に有名観光地の"Cartagena(カルタヘナ)"の街並みを参考にしているとか…。
カルタヘナは、その港や要塞、歴史的建造物が世界遺産として登録され、日本でもご存じの方が多いのではないでしょうか。
食文化
コロンビアと言えばコーヒーというように、コーヒーはちょこちょこ映画の中に登場します。
ですが、他にもコロンビアの食文化がみられるシーンは実はたくさんあるんです。
正直なところ、コーヒー以外のコロンビアの食文化はインパクトのあるものは少ないので、知らないと映画の中に出てきても見逃しがちだと思います笑
ぜひここでそんなのがあるんだ~と参考にしてほしいです。
"Ajiaco(アヒアコ)":鶏肉とじゃがいもを使ったシチューに近い料理
映画にも出てくるように生クリーム、ケッパー、ご飯やアボカドなどを入れて好みに合わせてアレンジします。
"Arepa(アレパ)":すり潰したとうもろこしから作る伝統的な薄焼きパン
日本人にとってのお米のようなもの、スープのおともとしても、朝ごはんとしても、食べ方はそれぞれ。
"Buñuelo(ブニュエロ)":ブラジルのポンデケージョのような揚げパン
クリスマスシーズンによく食べられると言われていますが、実は普段からもパン屋さんやちょっとしたお店でも売られていて、これまたおいしいです。
"Yuca(ユカ芋)":キャッサバ
揚げてポテトフライ感覚で食べたり、パンに使われたりさまざまです。
他にも"Panela(パネラ)":黒糖など、登場人物だけでなく、少し手元に目をやればおもしろいことに色々なコロンビアを代表する食文化が見て取れます。
ファッション
予告を見ただけでも、主人公ミラベルの服装がかわいいと思った方も多いのではないでしょうか。
ミラベルの着ているこの衣装は、"Traje típico de Vélez(トラヘ・ティピコ・デ・ベレス)"といわれ、サンタンデール県ベレスという街の伝統的な民族衣装だそうです。
また、ミラベルの持っているショルダーバックは"Mochila(モチーラ)"といわれる"Wayuu(ワユー)"先住民族のバックとして、お土産としてもとっても人気。
そのほか、"Poncho(ポンチョ)"や"Guayabera(グアジャベラ)"、"Apalgata(アパルガタ)"、"Sombrero vueltiao(ソンブレロ・ブエルティアオ)"もコロンビアを象徴しているといわれています。
音楽
ミュージカル映画なので、音楽はこの映画の魅力の一つです。
コロンビアの音楽は、"Vallenato(バジェナト)"、"Merengue(メレンゲ)"、"Cumbia(クンビア)"、"Champeta(チャンペタ)"、"Salsa(サルサ)"など、コロンビア発祥のものもありますが、発祥国からコロンビアへの伝達の過程で変化したものや、アフリカやヨーロッパ、先住民からの影響を受けたものなどさまざまなジャンルがあります。
この映画のテーマソングの"Colombia, Mi Encanto(愛するコロンビア)"は、以前の記事でも紹介した"Carlos Vives(カルロス・ビベス)"が歌っていて、アコーディオンの音色が特徴的なバジェナトとチャンペタが混ざった現代チックな音楽になっています。
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また、エンドソングになっている"Dos Oruguitas(マリポーサ 羽ばたく未来へ)"は、日本語版ではナオト・インティライミさんが歌っていますが、原作では以前の記事でも紹介した"Sebastian Yatra(セバスティアン・ジャトラ)"が歌っています。
バラードチックで感動的な歌声なので、ついつい涙してしまいます。
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伝統
映画のテーマといってもいい「魔法」は、アルマおばあちゃんの「ろうそく」によって保たれています。
このろうそくのモチーフは、コロンビアの伝統文化である"Día de las Velitas(ろうそくの日)"をもとにしているとされています。
コロンビアの祝日である「無原罪の御宿り」の前夜である12月7日がその日にあたります。
歴史
映画の中ではコロンビアの歴史にもフォーカスされています。
必ずしもその歴史は明るいものだけではなく、悲しいものがあることも映画では描かれています。
この映画では「国内の情勢悪化により多くの人が生まれ育った故郷を追われていた」事実に焦点を当てて、コロンビアの残念な過去も取り入れています。
生物多様性
動物の魔法を持っているアントニオ(ミラベルのいとこ)のシーンで象徴的でしたが、コロンビアはブラジルとインドネシアに続いて世界で3番目に生物多様性に富んだ国と言われています。
映画に出てきた"Chigüiro(カピパラ)"、"Guacamaya(コンゴウインコ)"、"Tucán(オオハシ)"、"Jaguar(ジャガー)"などの動物だけでなく、風景に描かれる花や草木も種類に富んでいたと思います。
コロンビアはカリブ海にも太平洋にも面し、地域によって気候もそれぞれ、アマゾンも有し、非常に自然が豊かです!
コロンビアの著名人
キラキラした黄色い蝶々、これはかの有名な作家"Gabriel Garcia Márquez(ガブリエル・ガルシア・マルケス)"の名作"Cien años de soledad(百年の孤独)"に出てくる黄色い蝶々を描いています。
また、アントニオは、サッカー選手の"Cuadrado(クアドラド)"、ルイサ(ミラベルの姉)は、オリンピックの金メダル保持者・パワーリフティング選手の"María Isabel Urrutia(マリア・イサベル・ウルティア)"がモデルになったのではないかと言われています。
そして、声優として"Maluma(マルマ)"がイサベラ(ミラベルの姉)の婚約者であるマリアノの声(英語・スペイン語版)を演じています。
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まとめ
ただでさえカラフルな映像と楽しくなる音楽、登場人物の多様性で魅力が溢れていますが、今回の映画がインスピレーションを受けたコロンビアの魅力を知っておくことで、さらにこの映画が楽しめるのではないかと思います。
ディズニー映画で、日本の裏側にある国の魅力を覗き見できちゃうなんて一石二鳥ですね。
日本ではスペイン語吹き替え版は上映してないかと思いますが、スペイン語学習者の方はぜひ、音楽だけでもYoutubeなどで検索をかけてスペイン語で聴いてみてください♫
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